今後企業に求められること

日本でのかつての『愛社精神』は、会社に奉仕するといった意味合いが強く、『個』は重要視されていない感覚がありました。

対して、ウェルビーイングが高い企業における『愛社精神』は、『個』が尊重されることで会社への共感や貢献する意欲が増した状態と言えるかもしれません。

新しい時代に即した愛社精神を高めるためにも、ウェルビーイングを促進することは重要な意味を持ちます。

企業におけるウェルビーイングの重要性は、単に従業員の健康を守るだけではありません。

企業の持続的な成長や競争力の向上にも大きく関わってきます。

『企業がウェルビーイングを推進するメリット』でも述べたように、生産性の向上、離職率の低下、イノベーションの促進、企業ブランドの向上、健康コスト削減、など多くのメリットが期待できます。

ウェルビーイングを戦略的に取り入れ、従業員が心身ともに充実した状態で働ける環境を整え、従業員の幸福度を高めること。

それが今後の企業経営においては求められると考えられます。

企業がウェルビーイングを推進するメリット

企業がウェルビーイングを推進すると、以下のようなメリットがあります。

• 従業員の生産性が向上する
• 離職率が低下する
• 創造性やイノベーションが促進される
• 企業ブランドが向上する
• 健康関連コストが削減できる

具体的に見ていきます。

従業員の生産性が向上する

職場環境がウェルビーイングが高い状態であれば、従業員のモチベーションが高まります。

仕事への集中力が増し、ストレスが軽減します。

より効率的に業務を遂行できるようになるため生産性の向上が期待できます。

離職率が低下する

ウェルビーイングが高い職場環境であれば、従業員が心身ともに満たされて仕事ができます。

企業への満足度が向上することで、離職率が低下していくと考えられます。

離職率が低下し企業への定着率が高まれば、採用や教育のコストを削減することができます。

創造性やイノベーションが促進される

ウェルビーイングを重視した企業では、心理的に安全性の高い職場環境が生まれます。

従業員は自由にアイデアを出し合うことができるため、イノベーションが生まれやすい環境と言えます。

企業ブランドが向上する

従業員のウェルビーイングに配慮することで、企業の社会的評価が向上し、企業ブランドも強くなります。

採用市場において、優秀な人材を惹きつける要素ともなります。

健康関連コストが削減できる

企業において、従業員の医療費や休職に伴うコストは極力軽減したいものです。

ウェルビーイングを推進することで、従業員が健康を維持することができるようになると、医療費や休職に伴うコストを削減できるようになります。

企業におけるウェルビーイングを
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ウェルビーイングとは、身体的・精神的・社会的に良好な状態を指す言葉です。

1946年WHO憲章の中で、健康の定義としてウェルビーイングが用いられ、言葉としてのウェルビーイングが世界に広まるきっかけとなりました。

その後、2015年の国連総会で採択されたSDGs の宣言文に、『身体的・精神的・社会的にウェルビーイングな社会と目指す方向性』が盛り込まれたことで、より浸透していきます。

さらに2021年、WHOがウェルビーイングを紹介する文章の中で、『健康と同じように日常生活の一要素』としています。

非常に重要な概念としてウェルビーイングを捉えていることから、急速な広がりを見せています。

短期的な幸福だけでなく、将来にわたる持続的な幸福を意味します。

個人だけでなく、個人を取り巻く環境や地域、社会が幸せや豊かさを感じられる状態を指す概念です。

人生100年時代を生きていく私たちと、これからの社会にとって、ウェルビーイングは重要なキーワードとされています。

企業においてもウェルビーイングが重要

ウェルビーイングの広がりとともに、企業の成長や持続可能性といった観点から、従業員のウェルビーイングが重要視されるようになっています。

健康経営やエンゲージメントの向上、生産性や創造性の向上にも結び付くため、積極的に取り組む企業が増えています。

エンゲージメントとは、従業員の会社に対する「愛着」や「愛社精神」のことを言います。

エンゲージメントの高い状態とは、従業員が会社の理念・ビジョンに共感し、会社に貢献する意欲を持っている状態のことです。